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2008年度夏休み深泥池底生動物群集調査の結果概要

今年の夏休み底生動物調査には26名が参加し,計48タクサ447個体が採集された(2008年調査結果参照).今年は,夏休みのモニタリングとしては初めてフサカ属の幼虫が確認された.昨年は,西南開水域の全域でトンボ類,トンボ類,エビ類,貝類などが大きく減少していることが懸念材料となったが,今年は.それらのうちの一部は西南開水域でも復活傾向が認められた(11年間の集計結果参照).たとえば2007年には公園前排水口付近に大量に生息していたカワリヌマエビ属は全く採集できなくなったが,2008年には少数ながら同所でも確認された.フタバカゲロウやクロイトトンボ種群なども一旦減少から増加傾向に転じている.また,西南開水域東端の学生アパート前の礫底でトウヨシノボリの成魚が確認されたことも朗報である.これらは,ジュンサイ,コカナダモ,オオカナダモなどの水生植物が繁茂した結果,岸近くにブルーギルやオオクチバスが近寄りにくくなり,逃げ場として働いている可能性がある.ただし,水中の有機物量が明らかに年々増加傾向にあり,水域の富栄養化は着実に進行していると考えられる.このため,西南開水域の水深およそ30cm以深の池底では溶存酸素濃度が低下しており,底生動物の生息域は岸沿いの水面近くに限定されているのが現状である.したがって,昨年提案した水生植物管理や泥抜きを早急に着手する必要がある.

トウヨシノボリ。写真提供:竹門康弘さん

いっぽう,今回の調査参加人数や採集された総個体数は例年と遜色ないにもかかわらず,確認された総タクサ数は48に減少した(11年間の集計結果参照).これには,東開水域に注ぎ込む谷水が今年は完全に干上がっており,ここの流水中に生息する一連の種が採集されなかったことや,アメンボ科の採集努力が不足していたことなどが原因として考えられる.

2008年8月16日
深泥池水生生物研究会
(文責)竹門康弘