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第12回夏休み深泥池底生動物群集調査の結果概要

 今年の夏休み底生動物調査は,お盆休みの8月16日(日)に行われました.今回は過去最多の計42名の参加があり,計55タクサ386個体が採集されました(2009年調査結果参照).採集されたタクサ数の経年変化から,引き続き群集の種多様性は回復方向に向かっていると考えられます(タクサ数の経年変化図参照).今年は,夏休みのモニタリングとしては初記録の種が計10タクサも確認され,過去の記録は146タクサに達しました.コミズムシ属やミズムシ属が確認されたことは,19770年代の深泥池の特徴が回復してきた兆しとも受け取れます.いっぽう,外来種のトガリアメンボいついては,今回初めて気がついただけで,これまでにも生息していた可能性が高いと思われます.

ただし,今年も南西開水域の全域でトンボ類,エビ類,貝類などの底生動物が減少している傾向にありました.フタバカゲロウは公園前でも採集されましたが,イトトンボ類が激減していました.とくに,これまで毎回採集されていたアオモンイトトンボが見られませんでした.2007年度まで増加傾向にあったクロイトトンボ類も減少し,イトトンボ科の個体数は過去最低レベルとなりました.

今回大量に採集されたカワリヌマエビ属は,ほぼすべてが南東開水域ならびに南水路で採集されたものであり,公園前排水口付近では採集されませんでした.いっぽう,南西開水域東端の学生アパート前の礫底で今年もトウヨシノボリの成魚が確認され,南東開水域ならびに南水路ではドジョウの個体数が増加し手いる様子がうかがわれました.

水中の有機物量は今年も明らかに増加傾向にあり,水域の富栄養化は着実に進行していると考えられます.このため,西南開水域の水深およそ30cm以深の池底では溶存酸素濃度が低下しており,底生動物の生息域は岸沿いの水面近くに限定されているのが現状です.したがって,昨年提案した水生植物管理や泥抜きを早急に着手する必要があります.

文責:竹門康弘