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2010年3月の深泥池水生生物研究会からのお知らせ

連絡係 辻本 典顯

第116回打ち合わせ会報告
開催日時:3月14日(日)14:00〜17:00

出席者:竹門康弘、田末利治、伊藤昭雄、成田研一、谷厚仁朗、斉藤孝、大畑吉弘、加藤陸朗、安部倉完、嶋路耕平、辻本典顯(順不同、敬称略)(計11名)

○ はじめに

次回の打ち合わせ会は2010年4月10日(土)14:00から深泥池会館で行う予定です。
3月の打ち合わせ会に出席された方、会場の都合により日時が変更になりましたので、お間違えのないようご確認ください。

1。近況報告

1)ニシキゴイの放流(田末)

京都バスの交通整理員の方が、車で来た人が学生アパート前から、紅白のニシキゴイを捨てているのを目撃されたそうです。機会があれば、京都バスの方から詳しい話をお聞きしようということになりました。ブラックバスも同じように密放流される可能性があるので、2010年度の監視と外来魚捕獲作業は例年より早めに開始することになりました。

2)ゴミ問題(田末)

学生アパート横に落ち葉や枯れ枝が散乱していますが、誰かが遺棄した可能性が高いとのことです。池や集水域の富栄養化に繋がるので、文化財保護課に対策を相談することになりました。この場所では以前にも、庭木を剪定したときに出た枝を束ねたものが遺棄されていたことが報告されました。
 2月、阪村みぞろヶ池灸院の向かい側あたりに、液体の入ったペットボトル数本が京都市指定のゴミ袋に入れられ、捨てられていたそうです。田末さんはいったん池から道路側に引き上げておかれたそうなのですが、数日後、袋はなくなり、ペットボトルが池の中に投げ込まれていたとのことです。液体の中身が危険物であると大変ですので打ち合わせ会後に回収にいくことになりました。
(結果報告:田末さんの報告を受け、打ち合わせ会後に現場に行ってみると、大小あわせて10本近いペットボトルがありました。中の液体は茶色く腐敗しており、アンモニア臭がひどかったです。特別な化学物質ではなさそうでしたので、すべて公園のトイレに流し、容器は回収しました。密放流の問題やゴミ問題等、深泥池の大切さがわかっていない方が多いようですので、今後深泥池の価値をご理解いただけるような試みが必要であるとの結論になりました。)

3)コバンムシ、ミズムシ(加藤)

先月、京都府立大学農学研究科 応用昆虫研究室に所属の兼田久史さんによるコバンムシの研究について報告がありましたが、今回は外来魚除去事業のモニタリングの位置づけで行われた2月23日の調査結果が報告されました。同日の調査では、コバンムシはいずれの場所からも確認できませんでしたが、ミズムシ属(コミズムシ属の可能性も)の2、3齢幼虫がたくさん見られたとの報告がありました。最近まではマツモムシが優勢になり、ミズムシ属やコミズムシ属が優占する状況は、1979年に観察されて以来なかったことです。

2。会計報告(2010年3月1日現在)(加藤)

2009年9月に加藤陸朗さんが、深泥池水生生物研究会から会計係として92,528円を引き継がれました。

                                      支出
  2009年9月引き継ぎ額               92,528円
  備品修繕費             15,195円
  会合費               17,393円
  通信費(仮払を含む)        30,190円
  小計                62,778円
  残高                      29,750 (郵便貯金 16,528  現金 13,222)円
  

3。2010年度作業計画(竹門)

1) 2010年度事業の申請について

深泥池水生生物研究会では、1998年以降、外来魚駆除事業(外来魚駆除とそのモニタリング、底生動物調査、水質調査)ならびに植生管理事業(ヨシ・マコモ・ナガバオモダカ・キショウブなどの刈取り)と研究者が浮島で行う調査の双方を、京都市に事業申請をしてきました。しかし昨年からは後者の調査を行う研究者が研究会内にいなくなったので、京都市の外来魚駆除事業と植生管理事業の範囲で調査を実施することになりそうです。ただし、地球研湯本さんや辻野さんと相談の上で、新たに現状変更申請をする方針もありえるということになりました。
 外来魚駆除事業に関しては、これまでどおり外来魚駆除とそのモニタリング、底生動物調査、水質調査を続けていきますが、浮島での調査がなくなるため、浮島の変化に気づくのが遅れるといったことが懸念されます。したがって浮島に立ち入っての調査を申請をしないまでも監視は続けていかなければならないという意見が出されました。いずれにしても、2010年度の活動方針について、京都市文化財保護課の馬瀬さんと話し合いをすることになりました(4月22日15時を予定)。

2) 植生管理

植生管理については、外来魚駆除のようにモニタリング計画を立てて駆除効果などを分析する人がいないので、今後の方針を決め難いのが現状です。地球研の湯本さんと辻野さんらにその役割を果たしていただくよう改めてお願いすることにしました。
 当面の課題として、昨年刈り取った植物があちこちにの岸辺に山積されているので、今年はまず刈り取り作業の前に、これらを撤去しなければいけません。いったん林内の一か所に固めてから、行楽シーズン後に南岸へ運び出すことになりました。パッカー車の要請台数も早急に決めなければなりません。
 東水路に新しくできた半島についての話が出ました。この半島にはカキツバタが生育していますが、ヨシやマコモの勢力が強く、今後淘汰される可能性があるとして、昨年大畑さんにヨシやマコモだけ切り落としていただきました。今回この半島をどうすべきかについて議論がなされ、もともと無かったものなので、その半島に棲みついている生物をよく調べた後、完全に無くしてしまったほうがよいのではないか、といった意見や、今後クロホシクサなどの希少種が生育する可能性があるので、残してもよいのではないかといった意見が出されました。半島のようすを見ながら、考えていく必要がありそうです。
 最後に、東岸の森林管理について話し合いました。池に向かってアラカシなどの常緑樹が枝を伸ばし、陰をつくっていることが問題になっています。打ち合わせ会でも何度か枝打ちの話が出ましたが、実行に移せていない理由の一つに、東山などで深刻な被害を与えているキクイムシの問題があります。深泥池一帯の山林では、今のところ被害が出ていませんが、伐採や枝打ちをすることによって、切り口にキクイムシが誘引されることが懸念されます。しかしこのまま森林の管理を先延ばしにはできないので、今年は試験的に枝打ちに踏み切ることになりました。切り口や切った枝についての対策を考えなければなりません。また、切る枝については、近いうちに宮本さんに決めていただくことになりました。これについては、新たなに現状変更手続きをする必要があり、4月に湯本さんと辻野さんと相談することになりました。

4。鴨川のアユ保全検討チーム(仮称)会議(竹門)

鴨川のアユはこれまで、賀茂川漁協の保全活動により守られてきましたが、近年釣り人の減少などで漁協の収入が不足し、稚魚の放流を含めた保全活動の継続が困難な状態になっています。また、市民から鴨川の中州を取り除いてほしいという意見が多く寄せられたこともあり、鴨川河川整備計画に、5年に一度中洲を取り除く方針が掲げられました。中州の植生化を防ぐためには、堰堤を削減するか堤体の高さを下げるなどして、河床の動態を活発化する必要があります。しかし、鴨川河川整備計画では鴨川の階段状の堰堤についてはむしろ現状維持の方針となってしましました。鴨川のアユ保全検討チーム(仮称)は、こうした河川管理方針に対して、少しでも河川の連続性を高めて、天然鮎が鴨川に上ってこれるようにしようという目的で結成されました。また、窮地にある賀茂川漁協をもり立てて、天然アユの遡上促進だけでななく、稚魚の放流の継続、アユが生息できる環境づくり、鴨川の河川環境の保全活動を進めていくそうです。2月26日(金)に開催された会議では、現在上流部に茂りすぎている樹木や竹をを切り開いて河辺を明るくするとともに、伐採した木を利用して鴨川の堰堤にアユの遡上を助けるスロープを案が議論されました。水中が明るくなることによって藻類の生産が高まり結果的に魚も増えることが期待されるそうです。同じような問題を抱えている深泥池にとって、このような提案は今後の作業計画を立てる上で参考になると思います。

5。今後の予定