ホーム お知らせ

2010年7月の深泥池水生生物研究会からのお知らせ

連絡係 辻本 典顯

第120回打ち合わせ会報告
開催日時:7月4日(日)14:00〜17:00

出席者:亀村俊二、竹門康弘、田末利治、伊藤昭雄、成田研一、加藤陸朗、宮本水文、
安部倉完、嶋路耕平、辻本典顯(順不同・敬称略)(計10名)

はじめに

次回の打ち合わせ会は2010年9月5日(日)14:00から深泥池会館で行う予定です。

1.映像『心の池』(制作:亀村俊二)の鑑賞

加藤陸朗さんのご尽力により,写真家で京都精華大学の講師をしておられる亀村俊二さんご本人にお越しいただき、深泥池をテーマにした映像『心の池』を鑑賞しました。亀村さんは、ライフワークとして30年以上前から深泥池の写真を撮り続けておられ、『心の池』は6月に精華大学で行われた展示会の新作です。池の波紋の変化をゆったりとした音楽とともに、たっぷりと鑑賞し、その後1人ずつ感想を述べました。竹門さんは「波紋の変化は,風,雲,光そして動植物の織りなすドラマであり,場と生物の相互作用を捉えているという点で生態学の方法と相通じるものを感じた」そうです。深泥池の魅力や価値の多様さと奥深さが増した気がします。

2.2010年6月の深泥池外来魚駆除成果報告(安部倉完)

○4-6月の外来魚駆除報告(4月25日〜6月27日)
小型刺し網 13回 10基
ブルーギル 17尾、オオクチバス2尾、カムルチ 5尾、フナ 2 尾、コイ2尾 
刺し網 5月2日 〜6月20日設置 13回 8枚
ブルーギル 0尾、オオクチバス2尾、カムルチ 10尾、フナ 5 尾
エリ網 17回
ブルーギル 5尾、オオクチバス0尾、オオクチバス稚魚 1,104尾、カムルチ 5尾 カムルチ稚魚499尾、フナ 9 尾、フナ稚魚22尾、ヨシノボリ 9尾、ザリガニ111匹、ウシガエルのオタマジャクシ183匹
もんどり26回 
ブルーギル220尾、オオクチバス1尾、オオクチバス稚魚 4尾
投網 2回
 ブルーギル 1尾、オオクチバス1尾 オオクチバス稚魚 39尾
産卵床の破壊(卵ありのみ 6月3日に 5つ破壊で最後)
ブルーギル18個、オオクチバス1個
計 ブルーギル243尾、オオクチバス6尾、オオクチバス稚魚1,147尾 となりました。

オオクチバス
 オオオクチバスの捕獲量は少なく、魚影も少ないようですが、エリ網で稚魚が合計1,147尾捕獲されており、繁殖には成功してしまったようです。しかし、稚魚の1回あたりの捕獲数は例年に比べて少なく(例年は1回あたり1,000尾単位)、今年は最高でも5月27日の378尾にとどまりました。以上より、少ないながらも毎年、繁殖成功個体がいるため、2004年のピークに比べると捕獲個体数は減少傾向にありますが、有意に減っているとまでは言えないと考えられます。
 懸念される情報として、5月27日頃から密放流個体とおぼしき40cmクラス1尾と20cmクラス3尾の目撃例が報告されました。

ブルーギル
 5月、小型刺し網に9尾の大型個体がかかりましたが、6月に入ってからは2尾と捕獲数は少なくなりました。5月で繁殖をほとんど終えてしまったため、刺し網では捕獲されにくくなった可能性があります。今期は7月までに、もんどりにより合計220尾が捕獲されましたが、2009年の4〜6月のもんどりによる捕獲数は606尾であったので、昨年と比べると捕獲数は大きく減少しました。しかし、最も個体推定値の低かった2008年は54尾であり、それと比べるとまだ個体数は多いと言えます。7月からは今年産まれの稚魚も確認されました。

その他
エリ網によるトウヨシノボリの捕獲は2006年に1尾確認されただけでしたが、今年はすでに9尾捕獲されています。2008年度以降オオクチバスの捕獲数が徐々に減少傾向にあることがトウヨシノボリの個体数の増加に影響している可能性があります。夏休みのタモ網による水生動物モニタリングなどの機会に注目するべき項目です。

3.近況

1)溶存酸素の低下(竹門康弘)
 7月4日のボート小屋前における溶存酸素濃度は、1.0 mg/L以下でした。比較的低酸素条件に強いコイやフナなどの魚でも3.0 mg/L以上必要なため、今年は魚類の多くが、比較的溶存酸素濃度の高い東岸や池の表層付近に集まっているようです。溶存酸素濃度の低下は、植物の遺骸などの有機物が池底に堆積しすぎていることが原因と考えられます。今年も、ジュンサイが一面を覆っており、外来魚駆除作業の邪魔にもなっていますので、例年通り網の近傍では岸際5mほどを刈り取りました。
2)シカ・サルアライグマ(田末利治・伊藤昭雄)
 田末さんの話によると6月27日(日)の午前中、ヒメコウホネ付近の散策路に鹿が横たわっていたそうです。翌日、池に巡回に来ていた保護課の係長の方とともにシカを見に行くと、岸から5mほど離れた水面に浮いていたそうです。その後、おそらくは当日中に処分されたとのことです。
 サルの一団が深泥池周辺の山に来ているそうです、岩倉自動車教習所や伊藤さんの温室にも侵入したとのことですので、警戒が必要です。その他、周辺の民家ではアライグマによる被害も報告されているそうです。

追記
3)楢枯れ(辻本典顯)
 チンコ山やケシ山のコナラなどが枯れて赤茶色のパッチワーク状になりつつあります。懸念していたカシノナガキクイムシ(Platypus quercivorus)の被害がとうとう深泥池周辺にも顕在化したようです。