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20113月の深泥池水生生物研究会からのお知らせ

連絡係 辻本 典顯

126回打ち合わせ会報告

開催日時:321日(月)14001700
出席者:竹門康弘、田末利治、伊藤昭雄、小林直正、成田研一、大畑吉弘、斉藤 孝、

大塚麻美、安部倉完、野尻浩彦、嶋路耕平、辻本典顯(順不同・敬称略)(12名)

 

 

1.日本生態学会近畿地区会の要望書と2011年度事業計画(竹門)
 日本生態学会近畿地区会が、323日(水)に京都市長宛に提出する『天然記念物深泥池生物群集の管理に関する要望書』(添付資料1参照)について説明がありました(その後、要望書の提出については京都新聞の24日朝刊に記事(添付資料2)が掲載されました)。また、来年度の調査活動に向けて、京都市文化財保護課へ提出する文化庁官庁宛『史跡天然記念物現状変更申請書』と『研究計画書』(添付資料3および4参照)の説明がありました。打ち合わせ会ではこれらの内容の最終確認を行い、意見交換をしました。その中でこれまでの研究計画に掲げてきた泥抜きが、2011年度の計画項目から削除されたことについて話し合いました。本研究会では、2010年度に、水中の溶存酸素を回復させるために、パイプを使って浮泥を公園前越流口から排水路へ流す計画を文化財保護課に提案しました。しかし、この案は、下流地域の反対意見があったために実現には至りませんでした。泥抜きの重要性については、文化財保護課も理解してくれているようで、現在バキュームカーによる汲み取りを行う案が浮上しています。しかし汲み取った泥を産廃処分すると莫大なコストがかかるため、田畑での肥料利用が望ましいとの声が上がりました。その可能性については,今後、竹門先生が文化財保護課、大原土地改良区,京都市農業振興課等に相談することになりました。

 

 

2.『深泥池の湿原植物の刈り取りによる栄養塩持ち出し』(大塚)
 奈良教育大学4回生の大塚麻美さんに卒業研究の成果を発表していただきました。深泥池では外来魚駆除と並行してヨシ・マコモの刈り取りやナガバオモダカの抜き取りを行っていますが、実際どの程度の栄養塩を系外に持ち出すことができるのかについてはこれまで定かではありませんでした。今回大塚さんは植物の種類、刈り取り部位(根・葉・茎)、刈り取り時期別に栄養塩(N,P)含有量を測定し、刈り取りの効果について検証、考察されました。その結果、例えばヨシ1kgあたり4.8gのN、マコモ1kgあたり0.37gPを系外に持ち出すことが可能であるとわかりましたが、降雨などによる栄養塩の年間流入量に見合う量を持ち出すには、数十トンレベルの刈り取りが必要になるそうです。このデータを参考にして、今後の刈り取り量の目標設定に活かすとともに、植生管理に加えて栄養塩の流入をできるだけ抑えることが必要であると考えられます。

 

 

32010年度外来魚駆除成果報告と2011年の課題(安部倉)
2010
年度の外来魚駆除成果および1998年からのブルーギル、オオクチバスの個体数変動について安部倉さんにまとめていただきました(添付資料4参照)。2010年は、2009年に比べて2種ともに推定個体数が減少した結果になりましたが、それぞれに課題も見えてきましたので魚種別にまとめます。

 

・ブルーギル
 ブルーギルは2008年ごろまで順調に個体数が減少していましたが、同年の密放流(特に3歳魚を中心とした成魚)により2009年には1歳魚が急増、繁殖に成功したものと思われます。密放流がある現在の状況が続いた場合、ブルーギルの30年後の絶滅確率は60%程度と予測され、将来的に根絶は難しいとのシミュレーション結果が得られました。


・オオクチバス
 オオクチバスも2003年ごろまでは個体数減少傾向にありましたが、2005年以降の密放流のために再び増加し、その影響は現在でも続いているようです。

 

 これらの結果をふまえると、2011年度の外来魚対策では、@密放流阻止、A繁殖阻止が最重要課題となります。そのために,今後の方針として、327日に防御網を設置して、万が一放流された場合にも魚が池の中心まで到達しないようにすることしました。また、繁殖活動が活発になる46月には池を巡回して密放流を阻止するとともに、産卵床を破壊します。昨年はこの時期に雨が多く、作業がしばしば中止になりましたが、今年は雨でも巡回だけは行うことにして、この仕事を大畑さんにしていただくことになりました。また、昨年の試行で良好な結果の得られた、夕方(4時半〜6時半)のもんどり漁を、今年は計画的に行う予定です。いっぽう、投網は昨年に引き続き万庭さんにご尽力いただけるよう、伊藤さんからお願いをしていただく予定です。それまでに投網場の落葉や枯れ枝等の障害物を取り除くことになりました。これらの具体的な日程については,次回の打合会で決める予定です。

 

添付資料1天然記念物深泥池生物群集の管理に関する要望書

添付資料2京都新聞記事(2011324日付)

添付資料3史跡天然記念物現状変更申請書(2011年)

添付資料42010年度駆除成果

 

 

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