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20144月の深泥池水生生物研究会からのお知らせ

158回打ち合わせ会報告

連絡係 辻本 典顯

 

開催日時:46日(日)14:0017:00
出席者:竹門康弘、松井淳、辻野亮、田末利治、伊藤昭雄、小林直正、稲畑憲昭、宮本水文、
加藤義和、鄭呂尚、山田紗友美、北尾晃一、辻本典顯(順不同・敬称略)(13名)

 

1 2014年度史跡名勝天然記念物現状報告申請(竹門)
 深泥池に立ち入って活動するためには文化庁宛に現状変更申請書を提出する必要があります。今回の打ち合わせ会では2014年度の申請内容を確認しました。2014年度には、浮島における水生昆虫群集調査、枝払い実施区およびその対象区である未実施区へのシカ柵設置、枝払いの効果を評価するための底生動物群集調査等を実施項目に加える予定です。

 

2 深泥池水生昆虫相現況調査(稲畑)
 以前の打ち合わせ会報告でも紹介しましたが、2014年度は稲畑さんに深泥池の水生昆虫相の詳細な調査をしていただくことになりました。調査の目的は@浮島および開水域における植生の変化に伴って水生昆虫相が以前の調査と比較してどのように変化したかを明らかにすること、A枝払い実施区域と日陰になっている未実施区域を比較して樹林伐採の効果を検証することです。池の周囲5か所でタモ網による直接採集とライトトラップを実施する予定です。

 

3 ギルド内捕食が及ぼす深泥池の底生動物群集への影響(山田)
 深泥池の浮島では捕食性昆虫が数多く生息しています。浮島は貧栄養な環境であるため、これらの昆虫の間で餌資源や空間資源をめぐる強い競争が生じ、さらにはギルド内捕食(餌を同じくする捕食者同士が捕食しあうこと)が起きていることも予測されます。奈良教育大学4回生の山田さんは卒業研究で、まず、@捕食性昆虫(ヤマトセンブリおよび数種のトンボの幼虫;ヤゴ)の胃内容物調査によりギルド内捕食が起きているかを調べ、次にA水質調査およびメイオベントス調査により、どのような餌、空間資源においてギルド内捕食が生じるのかを明らかにし、さらにBギルド内捕食が起こる要因や底生動物群集へ及ぼす影響を明らかにするために、捕食者密度と餌動物の関係について調査を実施する予定です。

 

4 枝払い事業 夏原グラント2013年度事業報告および2014年度事業計画(加藤)
 2013年度は平和堂財団主催の夏原グラントから、池畔林の枝払い後調査に対して20万円の助成を受けました。また、助成の継続申請を行ったところ、2014年度には新たに30万円を助成いただくことになりました。打ち合わせ会では、加藤さんに作成していただいた2013年度活動報告書および2014年度活動計画書の内容を確認しました。事業名は「京都市・深泥池における池畔林伐採実験のモニタリング」です。2014年度は枝払い未実施区に、実施区の対象区として新たにシカ柵を設置する予定です。

 

2013年活動報告(抜粋)>
・実施内容
 本事業では、深泥池の南岸に沿って設定している@池畔林の伐採を行った地点(伐採区)、A池畔林が発達したままの地点(鬱閉区)、Bもともと池畔林の発達していない地点(開放区:池南西部の開水域)の3種類の地点を同様の手法でモニタリングし、林床の植物相、水生動物相、水質や光量といった物理化学環境を地点間で比較した。これにより、池畔林を伐採した後の物理化学環境の変化と生物相の回復過程を長期的に明らかにすることを目指した。また、モニタリング調査の過程で浮上した新たな課題であるシカによる林床植生の食害対策として、調査地点に防鹿柵を設置した。
・成果および課題
 池畔林を伐採することにより、以前の明るい林床に生育していた植物種の実生が多数確認された。このことから、池畔林の伐採によって深泥池本来の生物多様性が回復できる可能性が示唆された。今回の調査で見出された生態系の変化は、次年度以降にはより大きな変化として観察できると期待される。

 

2014年度活動計画(抜粋)>
・事業目的
 京都市が2012年に池畔林の一部を試験的に伐採した場所で、伐採効果を明らかにするためモニタリング調査を進めてきた。2013年度に実施した調査では、池畔林の伐採によって林床植生が急速に回復することが明らかになった。一方、伐採を行った林床には外来植物も多数侵入していることも明らかになった。また、伐採によって水際の底生動物相が変化しつつあることも確認されている。池の生物多様性を高めるための池畔林管理手法を提言するためには、今後も池畔林伐採後のモニタリング調査を継続する必要がある。さらに、本事業を進める上で、特に深刻な問題となっているのが、シカによる回復した植生の食害である。食害の実態を把握し、その影響を考慮しないことには、本事業開始時の目標である「池畔林伐採による林床植生の回復過程の解明」を完遂することは難しい。そのためには、防鹿柵の設置によるシカ食害の影響評価を早急に実施する必要がある。
・事業内容
 2013年度と同様にモニタリング調査を実施し、(1)林床における在来植物相および底生動物相の回復過程の解明および(2)外来植物の侵入状況の把握を目指す。また、調査区の一部に防鹿柵を設置し、(3)林床植生のシカによる食害の実態を明らかにする。本事業では、@池畔林の伐採を行った地点(伐採区)、A池畔林が発達したままの地点(鬱閉区)、Bもともと池畔林の発達していない地点(解放区)の3つの地点を同様の手法でモニタリングし、林床の植物相、水生動物相、水質や光量といった物理化学環境を地点間で比較する。2013年度に確立した各種モニタリング手法を継続して行い、池畔林を伐採した後の長期的な物理化学環境変化ならびに生物相の回復過程を明らかにする。

 

5 オオバナノイトタヌキモ除去(伊藤・辻本)
 321日(金)と23日(日)に伊藤さんに作製していただいた試作網を使ってオオバナノイトタヌキモの除去作業を行いました。7種類の網を試した結果、@沖に設置するまでの運び易さ、A設置にかかる時間、B浮きやおもりの安定感、C除去量の点を考慮して網を作製しなければならないことがわかりました。また、網を引っ張る際に、2人の引手が同程度の強さと速さで引っ張ることが必要であるともわかりました。京都市から除去の許可が下りましたので、今後は改良版の網を伊藤さんに作製していただき、413日から4回かけて作業を実施することになりました。除去した植物体はゴールデンウィーク明けにパッカー車に回収してもらいます。みなさまご参加いただければ幸いです。

 

6 日本生態学会自然再生講習会 京の里山再生理念と技術(竹門)
 日本生態学会主催で毎年開催されている自然再生講習会が、今年は922日(月)、23日(火・祝)に宝ヶ池・深泥池を舞台に「京の里山再生の理念と技術」を講習することになりました。1日目が現地視察、2日目が現地視察および講習会ですので、みなさまふるってご参加ください。水生生物研究会からは加藤さんが「シカ食害の植生への影響評価とモニタリング手法」という題でご講演される予定です。詳しい内容が決まりましたら改めてご案内いたします。

 

<企画趣旨>
 長い歴史、多様な文化・伝統を持つ京都。それを支えてきたのは、市街地周辺に拡がる里山であった。近代都市としての発展・グローバル化に伴い、京の里山は放置され変容してきた。今、周辺山地から侵入してきたニホンジカによる食害やナラ枯れの蔓延も加わり、その里山は急激に劣化してきている。ニホンジカの影響は、里山に隣接する庭園や天然記念物「深泥池」にも及んでいる。京の里山を再生し保全していくこと、それは、日本の文化・伝統の継承に繋がる重要な課題だ。では、里山の劣化要因をどのように取り除き、どのような里山を再生させていけば良いのか。今回の自然再生講習会では、宝が池・深泥池周辺の里山をモデルとして、里山再生の目標設定のあり方、シカ食害やナラ枯れから森林を守っていくための考え方・技術、里山再生を実現していくための協働のデザインとマネジメント手法について論じる。
<主催>日本生態学会
<日程>922日(月)午後:フィールド視察1 宝が池・深泥池周辺
23
日(火)午前:フィールド視察2 下鴨神社 or 京都府立植物園
23
日(火)午後:講習会(1317時)京都府立大学 大学会館2階 多目的ホール

 

7 深泥池展(竹門)
 例年ゴールデンウィークに催している深泥池展ですが、今年はこの時期にお忙しい方が多いとのことで、秋ごろに深泥池会館にて開催することになりました。

 

8 今後の予定
413日(日)
・外来魚駆除作業開始 もんどり設置 9時〜12
・深泥池を美しくする会一斉清掃 午前中
・宝ヶ池ツツジハイク 10時〜12
・宝ヶ池座談会 13時〜15時半
2014年度自然再生講習会打ち合わせ 16時〜17時半
於:子どもの楽園管理事務所


・京都科学読み物研究会 「松ヶ崎の山に春を見つけに行こう」 
9
時半〜 地下鉄松ヶ崎駅改札口集合
(深泥池水生生物研究会の宮本水文さんが講師です)


420日(日)
・エリ網設置 9時〜12


54日(日)
・第159回打ち合わせ会 14時〜17時 於:深泥池会館  


413日、20日、27日、54日(日)
・オオバナノイトタヌキモ除去 9時〜12時(外来魚駆除作業の合間)

 

 

 

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