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2001年11月1日

10月の深泥池水生研からのお知らせ

連絡係 安部倉完

夏も終わり、秋も深くなってまいりました。夜は肌寒い時もあ り、いよいよ冬も近づいてきたなあという感じがします。気温 の上がり下がりの大きい今日、この頃、くれぐれもお体の方、 お気をつけください。

10月の深泥池水生研究会連絡会からの報告です。

出席者10月14日
西村好平、平井利明、宮本水文、成田研一、池澤篤子、 高井利憲、野子弘、伊藤昭雄、田末利治、静谷英一、 井上庄助、竹門康弘、安部倉完
13名(敬称略)

1. 予算に関して

先月の決定では、京都自然史研究所が委託をうけ、同研究所 ので経理を行うということでした。しかし、委託の件に関して、 議論の尽くされた上での決定ではないとして、去年どおり本 研究会の方で経理も報告書作りも行うということになりました。

本年度の予算は100万です。予算を来年度に繰り越すこと はできないので、今年中に必要なものを揃え使い切る必要があ ります。

現在、備品を買いまだお金を返してもらっていないという人 は、1月の報告会のときに持ってきてください。なお、会計は、 いまで静谷さんにやっていただいてましたが、来月より安部 倉が、連絡係、会計を共にかねることになりまし。11月の連 絡会以降からは、領収書を安部倉の方によろしくお願いします。

2. 植物調査

今回の調査で分かったことは、ジュンサイの分布域は拡大し、 ヒシの分布域はかつてに比べ減っています。ヒシの勢力縮小 は、伊藤さんによる除去の効果だと思われます。除去がジュン サイの勢力拡大に意味があったのかは、今後、水質の影響を調 べるなど、多角的な調査を行う必要があると思われます。植物 の分布域の調査は、引きつづき行います。

3. エリ網の成果

ブルーキルは、一回あたり現在、稚魚が700匹くらい入って います。5cm以上の1年魚は、ほとんど、捕獲されていません。 他には、20-30cm位のサイズのフナが毎回1匹つづくらい入 っています。スッポンも1匹捕獲されました。

9/16前後、つぼ網が切られるという事件がありました。犯人 は、ートをつかって、網を切りにいったと思われます。ロープ も依然として、定期的に切られ、直しては切られるとイタチご っこのような状態になっています。これらの打開策を何とかし て見つけていく必要があります。

4. ブルーギルの個体数変動

これまでの除去の成果として、4年間分の個体数変動を出し ました。

ブルーギルの4年間の年齢別個体数推定値
――――――――――――――――――――――――――――
1998年1999年2000年2001年
――――――――――――――――――――――――――――
推定法M & RM & R※1除去法
個体推定値11802匹3989匹4306匹 4436匹
95%信頼限界上限値146026164 なし5413
95%信頼限界下限値75622920 なし3459

2才魚以上の割合28%15%18%5%
2歳以上の個体数 3304匹 598匹775匹221匹
新規加入数(1歳魚)8497匹3390匹 3530匹 4214匹
除去数230匹1832匹2258匹 3791匹※2
除去率2%46%52%85%
――――――――――――――――――――――――――――
※1
2000年度の個体数推定は、投網による捕獲効率は一定で あと仮定して、2000年の投網による捕獲数、および、1999年、2000 年の投網による捕獲数、および、1999年、2001年の個体推定値 と捕獲数を用いて推定した。
※2
2001年は9月現在、エリ網による除去個体を含まない。

考察

これらから言える事は、ブルーギルの1999年の個体数は大きく 減少しました。しかし、その後は個体数は増えています。

しかし、年齢別に見ると、2歳魚以上の個体は減少し続けて います。エリ網、投網などによる除去は、1歳魚以上の個体を 対象としています。駆除をしている一歳魚は、次の年には2歳 魚になるので、2歳魚以上の個体数の変動が、実際の駆除の効 果を示しているといえます。一応の除去の効果は出ているとい えます。

しかし、2歳魚以上の個体数が減ると、種内の競争の低下に より、1歳魚の加入数が増えるという事が考えられます。今後、 これらの問題をどう解決するかが決め手と思われます。

5. ウシガエルの胃内容分析

京都大学の平井さんによるウシガエルの胃内容分析に関する結 果が出ました。ウシガエルは、食欲が旺盛で日本の他のカエル と生態的地位が似通っているため、在来種のカエルの生存を脅 かしている可能性があります。

ウシガエルの幼体は多様な節足動物を摂食していたのに対し、 成体はザリガニに依存している傾向がみられました。

ウシガエルによる他の在来種のカエルの捕食例は数多く観察 されていますが、深泥池のウシガエルでは在来種の捕食の例は 見られませんでした。これは、すでに深泥池のカエル相が衰退 しているせいかも知れません。今後の調査が期待されます。

6. 今後の予定

いつも通り、水曜、日曜にエリ網による捕獲を行います。1 1/4を最終として、エリ網の捕獲は終了します。ご注意くだ さい。

11/18 10:00AMより、エリ網の洗浄を行います。一年の 網の汚れを落とす作業は非常に労力を必要とします。お時間の 空いてる方はぜひ参加していただければ幸いです。

7. 次回の報告会

11/18(日) 14:00PMより、網洗いの後、深泥池会館にて 行います。奮ってご参加ください。