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20164月の深泥池水生生物研究会からのお知らせ

180回打ち合わせ会報告

連絡係 辻本 典顯

 

開催日時:42日(土)14:0017:00

出席者: 竹門康弘・松井淳・田末利治・小林直正・成田研一・伴浩治・宮本水文・宮本秋津・辻野亮・辻野輝・

木村満・加藤義和・北尾晃一・辻本典顯(順不同・敬称略)(14名)

 

1.2016年度活動計画(竹門)

 前回の打ち合わせ会では、文化財保護課および文化庁に申請する、2016年度の天然記念物現状変更申請書の内容を確定しました。310日(木)に竹門先生と木村さんを通じて、文化財保護課に完成した申請書を提出したところ、すんなりと受け取ってもらえました。申請書は次に文化庁の審議にかけられ、その後早ければ5月中旬に許可が下りると思われます。つきましては、各事業を担当されている皆様は、6月からの作業計画をより具体的に立てていただきますようお願いいたします。

 

2.外来魚捕獲作業(竹門

 2016年度の外来魚捕獲作業を417日(日)から開始することになりました。当日は、もんどりおよびエリ網の設置を行いますので皆さまふるってご参加ください。また、410日から25日の間の木曜と日曜に、エリ網および投網エリアの掃除をすることになりました。浮遊しているゴミや池底の石を取り除きます。その他、産卵床の見回りの日程については、次回の打ち合わせ会で決めることになりました。

 

3.オオバナノイトタヌキモの除去と処分(竹門)

 南西開水域のオオバナノイトタヌキモの密度が昨年よりも増えており、夏までに水面を覆ってしまう可能性があります。このため繁茂する前に駆除を実施することになりました。ジュンサイが成長すると除去作業が困難なため4月中に実施する必要があります。除去した植物体については南岸上で乾燥させてから425日の週にパッカー車で回収してもらうよう京都市に要請するになりました。

 

4.池畔林における枯損木の処分(宮本)

 深泥池周囲の山林では近年、ナラ枯れが目立ちます。池畔でも枯損木がたくさんあり、今後それらが散策路に倒れてくる危険性があります。これらの枯損木を全て処分することは難しいですが、研究会が伐採実験をしているエリアにある2本については、優先的に研究会で伐り倒してはどうかという提案が出ました。そこで、伐った材の運び手や引き取り手がみつかり次第、作業日程を決めることになりました。

 

5.地域自然史と保全研究発表会−関西自然保護機構2016年度大会−参加報告(北尾)

 36日に大阪市立自然史博物館で、関西自然保護機構2016年度大会が開催されました。水生生物研究会からは北尾さんに、「深泥池の岸辺の環境は取り戻せるか?樹木による被陰とシカ食害の影響」というタイトルでポスター発表していただきました。ポスターを見にきた人の中には深泥池を知らない人も多かったため、深泥池には珍しい高層湿原であることや氷河期の遺存種が残っていることなどを解説されました。実際には、実験方法や結果の詳細に関する質問はなく、むしろ深泥池の現状に関する質問がほとんどだったそうです。また研究者の方からは、陸上植生だけでなく、水生植生の変化も調べてみてはどうかとのコメントをいただきました。

別のグループもシカの食害問題に関する発表をしていたそうです。春日山では近年、シカの不嗜好植物であるクリンソウが採食されており、特に春先に食害が増加しているとのことでした。この原因として、春先には嗜好植物が少ないということに加え、クリンソウの二次代謝産物(植物が生産する化学防衛物質)の量が低下している可能性も考えられるとのことです。シカの嗜好植物とは言えないミツガシワでも、季節によって食害の程度が変わっているならば、クリンソウと同様の生態的生理的要因が影響している可能性があります。大変興味深い内容なので、新たな研究テーマになりそうです。北尾さんからはその他に、メダカの地域個体郡の攪乱、オオサンショウオの交雑、淡水カメの種間交雑、外国産カワリヌマエビとその共生生物の侵入などの発表があったとの報告があり、打ち合わせ会参加者の関心を惹いていました。

 

6.ニホンジカシカの深泥池湿原への侵入状況のモニタリング(辻野)

 打ち合わせ会では毎月のように、シカ食害の問題が議題に挙がります。今回は奈良教育大学の辻野亮先生に、浮島湿原へのシカの侵入状況について報告していただきました。辻野先生らは20146月から12月まで、宝が池、深泥池(浮島内3台)、および上賀茂試験地の区間に設置された34台の自動撮影カメラにより、シカの行動を記録されました。その結果、@これらの区域では、撮影頻度の指標であるRAI値(撮影頭数/稼働日数×100日)が、大台ケ原や春日山などのシカ食害圧が大きい地域と比べても比較的高いため、植生に大きな影響が出ていることが推察されること、A宝が池では日中の記録回数が多く、深泥池では夜間に多い傾向があることから、シカの群れは深泥池と宝が池との間を昼夜移動している可能性があることが明らかになりました(以上の研究成果は、2015年に日本生態学会の和文誌「保全生態学研究」に掲載されました)。さらに浮島湿原では、201412月以降も継続してカメラ調査が行われており、新たにB日長の短い(夜が長い)冬や、新芽が豊富な初夏に撮影頻度が高いことがわかり、シカの湿原利用頻度もこの時期に高くなると推察されます。こうしたシカによる湿原利用の日変化や季節変化を考慮した食害対策が必要になると考えられます。

 

7.天然記念物深泥池生物群集保全事業計画(竹門)

 深泥池を利用しながら保全するための管理計画を立案、実行、評価するための組織づくりについて話し合いました。現在、深泥池にはシカの食害、過剰に繁茂したジュンサイ、集水域の荒廃した山林などの問題が山積していますが、これら全てを文化財保護課の予算で対策するのは不可能とのことです。このため、早急に文化庁や環境省等から補助金や助成を受ける必要があります。これらを実現するには、12年かけて文化財保護課に深泥池天然記念物保全事業計画を立案していただき、23年目に文化庁の補助事業を予算化するという目標を立ててはどうかとの意見が出ました。管理計画の立案、実行、評価のためには、そのための委員会を立ち上げる必要がありますが、まずは水生生物研究会から現状の課題や対策の提案をして行く予定です。ただし、今後は、自然を手つかずのまま残すという方法だけではなく、利用、管理しながらの保全対策することが求められます。とくにジュンサイについては、将来的には、地元の美しくする会あるいはそれを母体として設立したNPOがジュンサイの保全・利用のための管理を担う組織となることが望ましいと考えられます。そのためには、ジュンサイ群落の適正な利用・管理方式を慎重に検討する必要があります。今後、京都市や文化庁に具体的な提案をしていく予定ですので、この件に関して会員の皆様からのご質問やご意見を募集しています。打ち合わせ会で直接に議論に加わっていただくか、メールでご連絡いただければ幸いです。

 

. 今後の予定

49日(土)     宝が池ふらっとウォッチング(13:3015:00) 

宝が池公園桜の森入口

                          コバノミツバツツジのピンク色に染まる宝が池を歩きます

 

410日(日)から24日(日)の間の木曜と日曜 

エリ網および投網エリアの掃除(9:0012:00

                          浮遊しているオオバナノイトタヌキモや池底の石を取り除きます

 

417日(日) エリ網ともんどりの設置(9:0012:00

 

424日(日) 宝が池シンポジウム(13:0017:30) 

京都市左京区役所 第一会議室

水生生物研究会からは加藤さんに口頭発表していただきます

 

58日(日)  181回打ち合わせ会 14:0016:30) 深泥池会館

 

 

 

 

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