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20181月の深泥池水生生物研究会からのお知らせ

199回打ち合わせ会報告

開催日時:113日(土)14:0017:00
出席者:竹門康弘、宮本水文、宮本秋津、塚本悠太、奥田昇、笠原岳洋、大原正之、加藤義和、上西実、木村満、北尾晃一(順不同・敬称略)(11名)
記録:北尾晃一

コガタノゲンゴロウの保全(奥田、加藤)
 京都市北部で採取されたコガタノゲンゴロウについて、採集者の総合地球環境学研究所の奥田先生とともに今後の活動方針を議論しました。まず、コガタノゲンゴロウについての理解を深める目的として、加藤さんによる文献の解説が行われ、コガタノゲンゴロウは生息地域ではため池やビオトープなどに出現することが紹介されました。今回の採集地の周辺にも山間のため池が点在していることから、それらの地域を調査対象地域に選定することが考えられます。実地調査にあたっては止水性昆虫の採集に熟練し、採集時期や同定などの技能をもった専門家に同行してもらうことも必要です。そこで竹門先生から、ゲンゴロウの図鑑を執筆するなどゲンゴロウに詳しい環境科学大阪(株)の森正人さんを一度打ち合わせ会にお招きし、具体的な計画を議論することが提案されました。また、コガタノゲンゴロウは温暖化によって分布域を拡大していることが報告されているほか、ペットとして九州や東南アジア産の個体が安価で販売されていることもあります。今回採集されたコガタノゲンゴロウがもともと京都市に残存していた個体なのか、市外の生息地域から分布を拡大してきたのか、ペットが逃げ出したものか、といった同定調査も可能な範囲で行う必要があるという意見が出されました。

気候変動による高層湿原の生物群集への影響調査(笠原、大原)
 気候変動に伴う環境変化をモニタリングし、適応策を提案することを目的とした環境省の平成29年度地域適応コンソーシアムにおいて、深泥池が近畿地方のモデル地域に選ばれています。今回の打ち合わせ会では事業委託先のプレック研究所の笠原さん、大原さんに打ち合わせ会に参加していただき、事業計画について説明していただきました。深泥池の事業では、気候変動が湿原へ与える影響として湿原の水位や溶存酸素濃度の変化を通じて生物相に及ぼす影響を対象とするそうですが、深泥池では外来生物やシカ食害、水質の変化などの保全上の喫緊の課題があることから、気候変動の適応策についてはこれら加味した対策に結び付けることが重要であるとの意見が出ました。さらに、集水域の森林の変化も考
慮する必要があることや、集水域に住む地域住民の生活利用から適応策を提言していってほしいといった意見も出されました。
・実地調査項目について
今年度の実地調査が12月にかけて実施される予定です。
121日:ロガー設置作業(開水域と岸沿い全25箇所に水温センサー&ロガーを設置)

211日、12日(*):ロガー設置作業および、外部機関に委託する土壌調査(2地点)・水質調査(6地点)の試料の採取

23日、4日を予定していましたが変更になりました。
10時に小屋前集合で、主に浮き島や開水域の温度センサー&ロガーの設置と底泥の採集を実施する予定です。ご協力のほどよろしくお願い致します。


深泥池の散布体バンクの調査
 京都大学3回生の塚本さんが深泥池の種子バンクの発芽調査を卒業研究として行う予定ですが、春からの発芽実験に間に合わせるためには、底泥採取と実験開始を急ぐ必要がありました。そのため竹門先生が京都市文化財保護課に相談した結果、泥のサンプリングは29年度の現状変更申請に範疇に含めることとして、年度内にサンプリングを開始する許可をいただきました。そこで、先述のロガー(自動水温記録装置)の設置に合わせて211日、12日に底泥の採取を行うことになりました。サンプリング箇所については、偏りのないようにしながらも既存のデータ収集地点(水温、水質調査地点)と照合が可能な地点を選ぶことが提案されました。

平成29年度現状変更報告書の作成に向けて(竹門)
 331日に提出する平成29年度現状変更報告書の作成にむけて、今年度に実施した事業の報告書作成の担当を確認しました。(一部、未確定の項目があります)
1)水位、水温、水質調査(担当:加藤義和・田末利治・木村満・竹門康弘)

2)深泥池浮島の植物相調査準備とホロムイソウの調査(担当:松井淳・辻野亮)

3)水生動物群集調査(担当:竹門康弘・安部倉完・稲畑憲昭・上西実)

「深泥池開水域の植生調査」、「開水域のジュンサイ群落の管理手法に関する研究」、「深泥池南岸林間の光遮断並びにシカの食害が生物群集に及ぼす影響調査」、「ニホンジカ生息状況の把握調査」は、今年度は実施されなかったため、報告書への記載はありません。また、池の水位については、現在観測が止まっているので再開する必要があります。

平成30年度現状変更申請書の作成に向けて(竹門)
 平成30年度現状変更申請書の作成に向けて、主にジュンサイ利活用について議論が行われました。現在、天然記念物の保全を前提とした利活用について国の制度上の壁はクリアしつつあり、むしろ地域によっておける利用と保全の仕組みづくりが課題になってきます。京都市文化財保護課では、ジュンサイの利活用は利益を生じる活動であるため、公平性の観点から公開ガイドラインを作成し、そのガイドラインを守れば誰でも参画できることが必要と言われています。このため、水生生物研究会ではジュンサイ保全のための調査を組み込んだ「深泥池ジュンサイ保全利用活動ガイドライン」を作成する方針としました。

平成30年度の深泥池展について(木村)
 今年の深泥池展について、期間と企画の検討が行われました。当日の受付について一部の方に負担がかかるのを避けるため、当番制を導入することになりました。また、展示のほかにイベントも実施してはどうかという意見があり、深泥池一周観察会などが提案されました。今後の打ち合わせ会でさらに計画を具体化していく予定です。
平成30年度の深泥池展は以下の日程で実施することが決まりました。
場所:深泥池会館
日程:53日(木)午後 〜 6日(日)午前
53日午前に準備、6日午後に撤去)

今後の予定
211日、12日:朝10時小屋前集合、ロガー設置作業および、外部機関に委託する土壌調査・水質調査の試料の採取

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12日(月・休日)第200回打ち合わせ会
34日(日)第201回打ち合わせ会

200回打ち合わせ会の記念として第100回の時と同様にジュースで乾杯することにします。参加される方は差し入れをお願いいたします。



 

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