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20191月の深泥池水生生物研究会からのお知らせ

210回打ち合わせ会報告

開催日時:2019112日(土)1400−1700
出席者:竹門康弘、木村満、成田研一、田末利治、塚本悠太、杉本哲、北尾晃一(7名:順不同)

深泥展(木村、竹門)
 今年の深泥展の日時や概要について議論しました。現在のところ、会場は深泥会館,日程は53日(金)〜6日(月)、3日午前に設営、6日に撤収の予定です。また、昨年に同時開催し深泥観察会が好評だったことから、今年も4日か5日に実施する方向で調整することになりました。次回以降の打ち合わせ会で、詳細なプログラムを決める予定です。

環境省モニタリング1000への参加検討(竹門、加藤)
 環境省に環境省プロジェクト「モニタリングサイト1000」(モ1000)への参加の可能性について打診しておりましたが、生物多様性センターの宮田亮さんから回答がありました(加藤義和さん作成資料)。要点は以下の通り。
1)水生生物研究会との連携について前向きかつ幅広く検討したい
2)「モニ1000の調査マニュアル(湿原及び湖沼)に準じた調査」もしくは「マニュアルで得られるデータを参考とした調査」を今後実施・継続可能かどうかについて検討いただきたい(水生生物研究会の活動は、包括的な調査研究であり、湿原だけでなく湖沼調査にも該当すると考えられるため)
3)情報交換のみにするなどの他の連携のかたちもありうるので検討いただきたい。
4)「協力サイト(仮称)」の枠組みについては、上記の状況を見ながら検討したい。
このうち、モニ1000のマニュアルに準じた調査が可能か?という点については、現行の調査が既にモニ1000の調査項目を全て包含しており可能である判断されました。また、環境省の担当者に来ていただき調査方法のサポートをお願いできると良いとの意見がありました。これは,教えてもらうというよりも,環境省の職員さんに深泥を見てもらう機会を持つ意味が大きいとの理由です。また,モニ1000の報告書については、深泥では毎年調査結果を文化庁へ現状変更申請報告書を作成しているので、さほど大きな負担なく提出できると判断しました。以上のように,モニ1000の参加条件の大部分をクリアできるので、「協力サイト(仮称)」として参加したい旨の回答をすることになりました。

京都府環境保全課主催の自然観察指導員等研修会について(竹門、成田)
 18日に京都府自然環境保全課主催の自然観察指導員等研修会(講師:竹門先生)が深泥で実施されました。遠方から、東北大学工学研究科博士課程の内田典子さんがサポート役として参加されました。参加された成田さんの感想として、普段から水質調査をしている指導員が思ったより少なかったことや、講習会の後の意見交換の時間がもう少しあった方がよかったとのことでした。また、京都各地で自然観察指導員が活動することで子どもたちが自然への好奇心を啓発されることを期待したいそうです。
 また、自然環境保全京都府ネットワークで議論されている「京都に自然史博物館を設立する動き」について説明がありました。博物館施設の建設はまだまだ実現は困難ですが、近い将来、自然環境や生物多様性の情報を収集管理するオフィス(生物多様性センター)が京都府にできるかもしれないとのことです。それができた暁には、これまで蓄積してきた深泥のデータも提供する方針を確認しました。

深泥の雨量、湿度、温度等の測定について(竹門)
 環境省の気候変動地域適応コンソーシアム事業の一環で、深泥集水域に雨量計・湿度計・温度計等を設置する計画について竹門先生より説明がありました。深泥浮島および、周辺の山の尾根上(高山、ケシ山,本山)に設置する計画です。雨量計を設置するための条件になる開けた場所がどこにあるか話し合われました。その結果、候補地として高山の南肩、ケシ山の西肩,本山の尾根が挙がったため、早急に土地の管理者に相談することになりました。また、田末さん、成田さんから、チンコ山の周辺の温度、湿度を測定すれば、植生や希少種の分布との関係について興味深いデータがとれるのではないか、という提案があり、同様に検討することになりました。

2019年度ジュンサイの刈り取り計画(竹門、木村)
 来年度の現状変更申請では、ジュンサイの間引き作業を昨年度よりも広域で実施する計画を盛り込む予定です。そのためにも深泥美しくする会が主体のジュンサイ管理体制の構築が急がれます。また、刈り取ったジュンサイの茎と葉については,昨年は地域住民の方々に家庭ごみとして持ち帰っていただきましたが、今年はそれに加えて京都市動物園に動物飼料として利用してもらう計画を組み込む予定です(京都市文化財保護課に提案中)。昨年の経験から,ジュンサイ刈り取り時期は5月下旬〜6月上旬が適切であることがわかったので、今年は52526日(土、日)を中心に行うことが決まりました。また6—7月中の木曜日と日曜日もジュンサイの刈り取りを継続して、動物園に飼料として供給する案が出され、成田さんに可能な日は自家用車で運んでもらうことを了承いただきました。

塚本くんの卒業論文(塚本)
 深泥の埋土種子の発芽実験で卒業研究を行った京都大学農学部の塚本悠太さんから研究成果の報告がありました。埋土種子の撒き出し実験の結果、過去には深泥で記録があったが、近年の調査で見つかっていない植物が2種、東開水域の底泥サンプルから発芽したとの興味深い結果が報告されました。今後、この研究成果を深泥の自然再生に活用していくために、より広範囲のサンプルを収集することや、撒き出し条件を変えて実験をすることが必要であるとの意見がでました。また、埋土種子から発芽した植物の取扱いについても、事前に決定しておく必要があります。この研究課題について、竹門先生が府立植物園の山本和喜さんに提案したところ、植物園で協力していただけるとのことでした。今後、絶滅種の復活が期待できるかもしれません。もし可能なら底泥の撒き出しはこの3−4月から始めるのが良いそうなので、今年度の現状変更申請の範囲内で実施可能かどうか京都市文化財保護課に問い合わせることになりました。

深泥南岸の余水吐けの漏水
 深泥の南岸にある余水吐けは、深泥の水位が上昇すると下流の排水路に流出する役割を果たしています。しかし、この余水吐けの基礎部分に隙間ができて、の水位が低い状態でもかなりの流量で漏水していることがわかりました。このままでは、深泥の水位を適切に保てない恐れがあるため、文化財保護課に修繕を依頼することになりました。

今後の予定
29日(土)14:0017:00:第211回打ち合わせ会(於:深泥会館)

53日〜6日(金〜月):深泥展(於:深泥会館)