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2006年1月の深泥池水生生物研究会からのお知らせ

連絡係 安部倉 完

出席者

第71回打合会(1月9日)出席者
竹門康弘,安部倉完,加藤義和,成田研一,井上庄助,伊藤昭雄,野尻浩彦,山本周平,村上宜之,田末利治,嶋村鉄也,田崎紘平,村上伊佐弥 13名

(敬称略)

1.はじめに [重要]

次回の打合会は、2月4日(土曜日) 14時から深泥池会館です。日曜日ではありません。お間違えのないようお願いします。

2. 来年度の深泥池の保全計画について

深泥池の保全目標と来年度の保全活動計画について議論しました。保全目標の項目として下記の5つが挙げられました。

【外来魚対策】

1)オオクチバスとブルーギルの根絶に向けた駆除努力を継続する.ブルーギルの個体群モデルにもとづいて設定した駆除努力と個体群抑制効果との対応関係について検証する。

2)外来種の駆除により、他の在来魚種や底生動物がどのように回復したかについての調査を行う。

【水循環対策】

3)深泥池内外の気象・水質観測を継続するとともに水収支モデルの構築を行う.モデルに基づいて,集水域の森林管理などの対策が池の水位・水質に与える影響予測を試みる.

【植生管理】

4)開水面の抽水植物群落(ヨシマコモ群落)がバッファーとなって浮き島の富栄養化を防ぐ働きがあること示唆されたので,昭和初期以降に新発達したヨシマコモ群落についても全除去を保全目標とするのではなく,一部を継続的に刈り取ることによって,池外への栄養物質除去を促進することとした.

【シカ対策】

5)現地の植生食害状況,昔のシカ目撃談の聞き取り,過去の航空写真のトレイルなどから総合的に判断すると,シカの浮き島侵入の歴史はかなり古いと考えられた.したがって,シカの池内への侵入そのものを遮断する対策については,さほどの緊急性はなく,むしろ慎重に行う必要がある.来年度は,まずシカの食害が浮島の植生に与える影響を評価するための実験計画を立て,現状変更申請に反映するのがよいだろう.

3. 2005年度業績報告書原案

2005年度の業績報告の原案の報告と内容の確認を行いました。

【2005年度外来魚事業報告】(安部倉完)

ブルーギル、オオクチバスの個体群動態と将来予測についての報告。具体的な内容については既に前月のお知らせでご報告のとおり。

【浮島内の底生動物群集の調査結果】(加藤義和)

池塘、開水域、ビュルテ、シュレンケの四つの環境に分類し、それぞれの環境に応じたマクロベントスの群集の特徴を分析した。ヤギマルケシゲンゴロウ、ムモンチビコツブゲンゴロウアカヒラタガムシ、ミヤマアカネ、ハッチョウトンボなど、多くの貴重種が浮島内に生息していることが分かった。

【浮島内のメイオベントス群集の調査結果】(村上宜之)

浮島内のマクロベントスを採集した地点とほぼ同地点で10cm四方のコアサンプルを取りメイオベントスの同定分析を行った。ビュルテの地点ではササラダニ亜目が多く生息し、そのほかミジンコ目、ケンミジンコ目、ミズミミズ科などが多く生息した。シュレンケでも、ササラダニ亜目が多く生息しているものの、ビュルテよりは少なく、むしろミジンコ目、ケンミジンコ目の個体数割合が高くなっていた。

【深泥池およびその集水域の水・熱収支】(田崎紘平)

浮き島や開水面における水温の垂直分布の年間連続測定の結果,深泥池の浮き島内の温度は,冬に暖かく夏に涼しい環境になっていることが分かった.深さ40cmの水温を比較すると浮島内の冬の最低水温は8.7℃で、開水域では2.3℃、浮島内の夏の最高水温は25.3℃で、開水域では29.9℃であった。すなわち,浮島内では、水温の季節変動が緩和されると考えられる。また、冬季では垂直方向の水循環は80cm程度まで起こっているが、夏でも少なくとも40cmまでは毎晩循環が起きていることが分かった.このような循環様式は,底生動物や魚類の生息環境維持に重要な働きをしていると考えられる.ただし, 80cmの底層では,夏期に酸素が不足し底生動物の生息が困難となっている可能性がある。

【水質環境に関する報告】(嶋村鉄也)

水道水の漏水口に近づくにつれCa, Mg, Clなどのイオンの濃度が高くなることが、南側水路の水質環境を特徴付けていた。森林の亜表流水や浮島内の水では,それらの濃度がきわめて低いことが分かった。窒素由来の化合物は、深泥池の林床内の雨水と水道水漏水の流入口付近で最も高くなり、池の開水面では低くなっていた。このことから、池内に流れ込む時点で含まれている窒素化合物は、その後の池内の生物作用で浮き島に到達するまでに大部分が吸収されてしまうと考えられた。一方、浮島内の水では、森林からの亜流入水より窒素化合物多い場所があった。路面負荷お流入が浮島内の窒素化合物の濃度を高めている可能性も考えられる。

4. 次回

次回の打ち合わせ会は、2月4日(土) 14時から深泥池会館で行います。

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