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2006年6月の深泥池水生生物研究会からのお知らせ

連絡係 安部倉 完

第76回 打ち合わせ会出席者 6月4日(日)

竹門康弘、安部倉 完、加藤義和、嶋村鉄也、井上庄助、村上伊佐弥、岡田和子、田末利治、伊藤昭雄、湯本貴和、村上宜之、佐々木尚子、松井 淳、高井利憲、
辻野 亮、田端英雄、16名

(敬称略)

1. はじめに

今回は総合地球環境研究所研究員の佐々木尚子さんに深泥池の浮島で行なわれたボーリング調査による花粉分析結果について研究発表していただきました。時間配分がルーズだったため、質疑応答を途中で打ち切ってしまう形になってしまいましたことお詫びいたします。

2. 5月の外来魚駆除報告(5月5日?6月4日)(安部倉完さん)

刺し網 8回(一回あたり5枚の刺し網)
  ブルーギル0尾,オオクチバス0尾,カムルチ15尾,フナ52尾. 
投網 5回
  ブルーギル57尾,オオクチバス3尾.
エリ網 7回
 ブルーギル2尾(ギル稚魚0尾),オオクチバス0尾(稚魚3,361尾),
 カムルチ1尾,フナ2尾(稚魚30尾). 
もんどり7回 
 ブルーギル29尾,オオクチバス2尾, フナ2尾.
タモアミ2回
  オオクチバス稚魚15,900尾.
産卵床の破壊(卵ありのみ)
  バス1個, ギル25個.
計 バス 5尾 ブルーギル 88尾(2006年総計 バス28尾,ギル114尾)

となりました。5月14日からジュンサイの間を泳ぐオオクチバスの稚魚の群れが複数個見つかりました。残念ながらバスの産卵床は複数個除去できずに残ってしまったようです。ブルーギルの個体数は去年と比べ相当減っているようで、ブルーギルの個体群抑制は今の所うまくいっているようです。

3. 深泥池の花粉分析(佐々木尚子さん)

京都盆地周辺の森林の多くは有史以前から人間活動の影響を受けており、繰り返し伐採をうけた二次林であると認識されてきました。しかし、その二次林化の起きた時期についてはよくわかっていません。これまで、昔の絵図資料の解析や,ボーリングによって得られた堆積物の花粉分析を行なうことによってその成り立ちが推定されてきました。今回は、深泥池(過去3500年),丹波山地蛇ヶ池(過去5000年),八丁平(過去1万年)の植生がどのように変化したのかを花粉分析と歴史的資料の両面から解説していただきました。

深泥池の浮島西端付近の泥炭層からは、シイ属、常緑カシ類、落葉ナラ類、ハンノキ属、ヒノキ科型、二葉マツ(アカマツ)、カバノキ属、クマシデ属、イネ科、カヤツリグサ科,ヨモギ属などの花粉がでてきました。3500-1300年前くらいにはシイ属や常緑カシ類が多く照葉樹林に覆われていましたが、人間の活動が活発になる西暦700年頃(平安京造営より少し前)からアカマツが増えはじめ、江戸時代(約300年前から)はアカマツが顕著に優勢となりました。これは、深泥池周辺は都に接しているため平安時代以来人為影響を受け続けていたものの、大量の薪や草肥を恒常的に消費するようになったのは江戸時代以降である可能性を示しています。また,新しく実施した年代測定の結果に基づいて,現在の浮島を構成する植物遺体の層(ミズゴケを含む)が形成されたのはおよそ250年前ごろであるとする新説が提案されました。

4. 浮島植生調査(湯本貴和さん)

10月ごろ浮島の植生調査にはいるため、そのためのガイドラインについて話し合いました。浮島の調査は19979-1980年に一度大規模な調査を行なっていますが、それからすでに四半世紀経っており、浮島内部の植生は大きく変わっていると思われます。特に水道水の流れ込みによる水質の悪化や外来種の池周辺からの進入などによって、浮島の貴重種が危機的な状況に陥っている可能性があります。そのため、どのような貴重種がどこに残っているのかという情報を出来るだけ早く知っておく必要があります。今年の調査では、1)前回の調査の方法を踏襲した植物目録作り、2)各植生の分布の拡大縮小、3)パッチ内での種の多様性の変化、4)貴重種、優占種、外来種などの重要種の空間分布の4点を目的として調査を行ないます。具体的な調査計画は次回の打合会で検討することになりました。ガイドラインには,人数や回数を減らす努力,貴重種を踏まないことなどに加えて,外から種子や胞子を持ち込まぬよう専用のウェイダーを用いることやできるだけボートで行くことなどが挙げられました.

5. 鹿対策(辻野 亮さん)

鹿が浮島内に侵入しているのが度々観察され、浮島内の貴重種に重大な被害を与える恐れがあります。その対策として、駆除による個体群抑制などは困難なため、浮島を防御柵で完全に囲ってしまうのが最も良策と思われます。その場合、問題となるのはどの位置に柵を張るかですが、一案として、西の道路側は交通が激しいため病院からちんこ山、東の山から学生アパートまで柵を張る案がでました。この案の実施については.竹門さんが京都市に提案にいくことになりました.

6. 次回

次回の打ち合わせ会は、7月2日(日) 14時から深泥池会館で行います。