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2007年11月の深泥池水生生物研究会からのお知らせ

連絡係 安部倉 完

第91回打ち合わせ会出席者 11月4日(日)14:00-17:00

竹門康弘,高原光,加藤義和,嶋村鉄也,伊藤昭雄,大畑吉弘,宮本水文,安部倉完8名

(順不同,敬称略)

1. はじめに

次回の打ち合わせ会は2007年12月2日(日) 14:00 から深泥池会館で行なう予定です。

2. 2007年度外来魚除去成果

10月28日で本年度の外来魚除去作業は終了しました。また、2007年度の成果は以下のようになりました。

・ オオクチバス 

オオクチバスの駆除成果は成魚 24尾と稚魚7876尾なっており、昨年度2006年は成魚28尾と稚魚25,585尾と比較し稚魚の捕獲数が大きく減少しました。成魚の個体数
は、昨年と比べてさほど減少していませんでした。

・ ブルーギル

ブルーギルの駆除成果は成魚 383尾と稚魚54尾でした。ブルーギルの個体数推定値は4-7月のもんどりの一定努力量あたりの捕獲数から506±51尾と推定されました。去年の個体数推定値210±43尾と比べると個体数は増加していました。この理由として、2006年度、稚魚の個体数の抑制に成功できなかったため、2007年度は多くの1歳魚の新規加入があったという点が上げられます。しかし、今年の稚魚の捕獲数は54尾と低調で、去年の稚魚捕獲数370尾と比べると大きく減少しました。来年の推定個体数は、今年の506尾からは大きく減少すると予想しています。

3.底生動物群集調査 (竹門康弘)

10月2日、京都府立東稜高等学校の学生の方と伴浩二さんが高校の野外授業のため深泥池に来られました。そして、外来生物の駆除と深泥池の自然調査を行いまし
た。その際、底生動物相の調査を行いました。ミヤマアカネ、ナニワトンボの幼虫などの貴重種も見つかりましたが、多くのトンボ類、エビ類、貝類などは減少してい
ることが分かりました。また、ウスイロユスリカという水田特有の低酸素に非常に強いユスリカが見つかっており、深泥池の底性動物相は高層湿原から水田にすむ生物
相へと変化している事が分かりました。これは現在の深泥池が有機物の多い手入れの悪い水田のようになっていることを示しており、あまり望ましくない状況であると
言えます。これを改善するには池の底にたまった泥を排出し、池の底層の低酸素化を食い止める必要があります。

4.深泥池周辺の植生調査(宮本水文)

岸辺の樹木が池面上に樹冠を伸ばし水面を日陰にしつつあります。その日陰となった場所では水中での光合成が行われなくなり、さらに樹木から枯葉や枝が落下した有
機物が分解されるため、ひどい低酸素状態となります。そのような場所では底生動物は殆ど生息していません。そのため、これらの樹木を間引きするため、岸辺の樹木
の種名・大きさ・位置情報を地形図上に記録し植生図を必要があります。これらの調査は1月ごろから行うつもりです。
ただ、間引きをする際、切った木をそのまま放置しているとカシなどの樹木の立ち枯れの原因となるカシノナガキクイムシの温床になってしまうので森林維持の面から
は出来るだけ取り除いた方がいいとのことでした。

5.深泥池湿原でのシカ対策の必要性(辻野亮)

深泥池の浮島湿原にシカが侵入していることが2005年に確認され、 浮島湿原にシカの足跡や糞が散在している上に、カキツバタやミツガシワ、チゴザサなどに採食
された痕が残っていました。浮島内への鹿の侵入は、植物に対する採食圧、踏圧による泥炭層の攪乱、糞尿による富栄養化の3点の問題が挙げられます。鹿はずっと以
前から浮島内に侵入していた可能性はありますが、全国的に鹿は個体数が増加傾向にあり、北海道・知床、日光、大台ケ原、屋久島など鹿による被害が報告されている
自然保護区も増えています。シカを浮島内に近づけないために柵を早急に設置する必要があると思われます。

6.その他の報告

10/30に消火器の消化剤が池に撒かれ、通報があったようです。また、10/20にも米が1合ちかくばら撒かれていました。おそらくは野鳥を岸辺に寄せるためと思われま
すが、天然記念物の生物に餌を与える事は禁止されています。

7. 次回

次回の打ち合わせ会は2007年12月2日(日) 14:00 から深泥池会館で行ないます。