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2008年1月の深泥池水生生物研究会からのお知らせ

連絡係 安部倉 完

第91回打ち合わせ会出席者 1月13日(日)14:00-17:00

竹門 康弘、宮本 水文、田末 利治、伊藤 昭雄、新川 美紀、橋本 有美枝、堀 和子、大畑 吉弘、近藤 博保、加藤 義和、野尻 浩彦、村上 伊佐弥、久永 篤良、島田 美咲、安部倉 完 15名

(順不同,敬称略)

1.はじめに

次回の打ち合わせ会は2007年2月9日(土) 14:00 から深泥池会館で行なう予定です。日曜日ではありませんのでご注意ください。

2.今年度の報告書について(竹門康弘)

深泥池の今年度活動成果を京都市・文化庁への現状変更報告書として提出する必要がありますので,各担当者は事前事後写真とその説明文を竹門まで提出することとなった。

3.来年度の現状変更申請について(竹門康弘)

来年度の現状変更申請のため,「深泥池生物群集の保全のための生態系管理手法の研究」という課題で来年度の研究計画項目を挙げて議論した。外来魚・外来植物対策と草刈りなどの植生管理は,京都市が事業主体となるため、本研究会の計画書には含めないこととなった。また、現段階では実際に行うか未定の項目も含まれており,来月までに確認を行なうこととなった。

1)気象・水位・流出量観測(責任者:田中賢治):

植生別熱収支や蒸発散量の推定を行うため,現在設置されている装置による観測を継続する.浮き島内の観測装置は,太陽電池により自動測定され携帯電話でデータを収集することができるので,機器保守点検の時以外は浮き島に踏み入らなくても観測が可能である.調査地点:特定点(付近見取図1略)

2)水質調査(責任者:嶋村鉄也):

深泥池への流入水の生元素負荷量を推定するため,各季節ならびに降雨の前後に森林からの流出水ならびに亜表流水,路面からの流入水,水道水漏水,池の各水域区分,深泥池浮島で実施する.調査は採水と携帯型水質計による.また水質モニタリングのため,11月に市民参加による水質一斉調査を実施する.その際は,携帯型水質計とパックテストを併用する.調査地点:定点観測,一斉調査は全45地点(付近見取図2略).

3)池内の植生調査(責任者:辻野 亮):

2008年度には,2006-7年度に作成した植生図ならびに浮き島植生の種別分布図を用いてモニタリングの方法を確立する.このため北側と浮き島は徒歩で立ち入るが,浮島内に入る際には「深泥池調査制限に関するガイドライン」を遵守することにより現状変更を最小限にとどめる.本調査では占有施設は設けない.調査地点:深泥池全域(付近見取図3略)

4)魚類群集・底生動物群集・プランクトン群集調査(責任者:竹門康弘):

京都市が実施中の外来魚の個体群抑制効果を知るために,開水面ならびに浮島の魚類群集・底生動物群集・プランクトン群集の調査を行う.調査地点:開水域ならびに浮島の数カ所(付近見取図4略).

5)訪花昆虫調査(責任者:丑丸敦史):

深泥池の植生分布に対応した訪花昆虫の実態を明らかにするため,季節ごとに開花する植物種別に訪花昆虫の観察と採集を行なう.浮島内に入る際には,「深泥池調査制限に関するガイドライン」を遵守することにより現状変更を最小限にとどめる.調査地点:浮き島内、海水域、周辺二次林において特定の調査ルートを決めてセンサスする(付近見取図5略)

6)堆積物調査(責任者:高原 光):

堆積物中の植物遺体や微化石の分析によって,深泥池周辺における植生変遷の実態を知るため,浮島東部のチンコ山麓において堆積物のボーリングコアサンプルの採取を行う.コアの採取は,内径40mmと80mmのパイプを最大17mまで手動で打ち込む方法による.その際,浮き島植生を痛めないようにベニア板を4枚敷き,中央の隙間からボーリングする.採取したコアは京都府立大学農学部に搬入し,花粉分析に供する.調査地点:浮島東部のチンコ山麓(付近見取図6略)

7)外来植物ならびに抽水植物管理手法の研究(責任者:嶋村鉄也):

岸辺に広がるナガバオモダカとアメリカミズユキノシタ,開水面を覆いつつあるマコモ,池の北岸沿いに繁茂するヨシ・セイタカヨシについて,京都市によって行なわれる刈り取りの効果を測定するため.それぞれの除去量と栄養塩類含量の測定を行い,池から除去される栄養塩総量を推定するための資料とする.調査地点:京都市の実施予定に合わせる(付近見取図7略)

8)南岸沿いの林冠による光遮断の生物群集影響調査(責任者:湯本貴和):

深泥池南岸の樹木はここ30-40年間に伸張し樹冠が池の水面上に大きく張りだしている.また,1960-70年代に人の背丈ほどもなかった照葉樹が大きく成長した.その結果,林床や池内が日陰となり,岸辺の抽水植物,ヒメコウホネ・ジュンサイ・タヌキモなどの水生植物,付着藻類,底生動物群集などに多大の影響を及ぼしていると予測される.そこで,2008年度には,昨年度に引き続き林冠による光遮断がない地点と顕著な地点を選んで,光環境ならびに各種生物種の生育生息状況の調査を行なう.調査地点:南水路沿い(付近見取り図8略)

9)浮島におけるビュルテとシュレンケの生物群集組成と有機物分解速度の実験的比較研究(責任者:竹門康弘):

ビュルテとシュレンケを構成するオオミズゴケとハリミズゴケに生息する動物群集を明らかにするとともに,炭素と窒素の安定同位体比によって,各種動物の栄養起源を明らかにする.また,オオミズゴケとハリミズゴケの遺体の分解速度を調査する(付近見取り図9略)

10)泥抜きの試行と影響調査(責任者:竹門康弘):

深泥池周辺の山林の放置や,ジュンサイ、カナダモなどの水草の繁茂によって深泥池の浮泥が池底に溜まるようになり,溶存酸素濃度の低下や水生生物群集の劣化が進行していることがわかった.この状況を改善するには,大正時代まで行なわれていた泥抜きを復活させる必要がある.そこで,2008年度には,京都市の保全事業としてサイホンや小型ポンプを用いた小規模な泥抜きを試験的に行う予定である.本研究会では,その作業に協力すると同時に,実施場所の水域において,水質,有機物,植生,プランクトン,底生動物群集などのモニタリング調査を実施する(付近見取り図10略).

4. ガガブタ(加藤 義和)

最後に見られたのが1980年代であるガガブタが今年、再発見された。しかし、観賞用のカガブタが投棄され定着した可能性があるため、小池に生育する在来のガガブタと共にサンプルを送り神戸大学の角野康郎さんに鑑定してもらったところ、葉の芽の形による鑑定が必要であるため、再度冬芽のサンプルを採集することとした。

5.ヨシ刈り(伊藤昭雄)

2月3,7,10,14,17日の木、日曜日9:00-12:00までヨシ狩りを行います。雪もしくは雨天の場合は中止となります。集合場所はボート小屋前です。

6. 次回

次回の打ち合わせ会は2007年2月9日(土) 14:00 から深泥池会館で行ないます.