深泥池の外来魚捕獲事業の中間報告

(98年5月30日現在)

深泥池水生動物研究会が,池にえり網を設置して魚類調査を開始してから,3ヵ月 が経過しました.地元の方々・研究者・学生など多くの皆様のご協力により,魚類個 体数調査は比較的順調に進みました.5月30日(土)の第3回打ち合わせ会では, 以下の結果を報告しましたのでお知らせします.

えり網により捕獲された動物の種類組成は,魚類10種/カメ類5種/甲殻類2種 /両生類1種に及んでいます.外来魚のうちオオクチバス/ブルーギル/カムルチの 3種については,タグ打ちや鰭切りによって標識放流し再捕獲する調査を実施しまし た.5月25日までの調査結果から推定されることは以下の通りです.

  1. オオクチバス:1歳以上の推定個体数は,30〜40個体ときわめて少ない値と なった.産卵床は合計72ヵ所確認されており,池全体の生息数は百から数百の範囲 にはなるものの,1歳以上のオオクチバスは,それほど多くはないと結論できる.と ころが,5月の連休明けから,今年生まれの稚魚が大量に捕獲され,繁殖数は多いこ とが確認された.深泥池では,稚魚の数に比べて成魚数が少なく0歳魚の死亡率が高 いと推定される.
  2. ブルーギル:被鱗体長5cm以上の推定個体数は13000個体とオオクチバスと 桁違いに多く推定された.池全体に移動分散できるとは考えられないので,数万尾の 桁数で生息していると思われる.
  3. カムルチについて:個体数推定値はオオクチバスとブルーギルの中間で,数百〜 数千尾の範囲になる.
  4. その他の外来魚:カダヤシが多数生息するが,えり網では捕獲されていない.
  5. 在来魚:モツゴ/ゲンゴロウブナ/ギンブナ/コイ/ヨシノボリが健在だが,シ ロヒレタビラやカワバタモロコはまったく捕獲されていない.コイについては,ヒゴ イやヤマトゴイが多く,確実に野性のコイであると判断される個体はまだ得られてい ない.
  6. カメ類:個体数でクサガメ>アカミミガメ>イシガメ>スッポン>ミナミイシガ メ>ワニガメの順に採集されている.

以上の結果から,98年時点で外来魚3種の個体数は,ブルーギル>カムルチ>オ オクチバスの順に多いことが判明しました.オオクチバスの0歳魚の死亡率が高いこ との理由には,ブルーギル・カムルチ・オオクチバスのいずれかによる捕食が考えら れます.これらを確かめるためには,各魚種を投網などの方法で採集した標本につい て胃内容分析をすることが必要です.また,外来魚3種の個体数は一応推定できたも のの,精度を高めるために6月前半は標識再捕調査を続けることにしました.

文責: 竹門康弘

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