外来動物除去作業に参加して

菅沼裕


市の文化財保護課で深泥池を担当しているということもあるが、仕事半分、興味半 分で、約半年間作業に加わらせてもらい、深泥池の生物について、書物等を見聞きす るのと違う、深泥池の微妙さと不思議さを感じ取ることができたように思う。

今までもいろいろな分野の先生や、地元の方から、深泥池の生き物や環境について の話を伺い、報告書を読む等して、それなりに深泥池のことを勉強してきたが、実際 に捕獲した動物の種類や数、大きさを計測していると深泥池の環境に危機的な面があ るとはいうものの、生き残っている生物たちのしぶとさというか、多彩さは、書籍で 生息種数を確認したりするのとは全く違う印象を受けた。

仕事の関係からいえば、フナやヨシノボリのような本来の魚がまだ生きているとい う安堵感があり、逆に動物相が復元するまでの期間を考えると今後も大変だなという 思いであり、個人的には、ミドリガメだけでなくワニガメのような生き物まで網に入 っていることで、新聞でも取り上げられているが日本のペットの飼育の野放しの状況 のすさまじさというか、こんな生き物まで飼う人がいるのかという驚きがあった。

森林や湖沼等の管理の手法については、特に里山に関する活動は全国的にも広がっ ているが、こうした湖沼の、しかも魚類を対象とした活動というのは、寡聞にして聞 いたことがない中で、どのような活動になるのだろうという思いもあったが、幸いに して、多くの方が興味を持たれて、作業が継続したということは、いい経験となった。

何よりもありがたかったのは、参加者の方が熱心に作業に参加し、活動してくれた こともあるが、もう一つ、みなさんが自分を市の職員としてでなく、一人の参加者と して扱ってくれた点だと思っている。

法律や条例に基づいて仕事をするというのは、それなりの権限や裁量の範囲がある ということだが、逆にいえば、権限や裁量外のことを実施するには手間がかかるとい うことでもあり(いわゆるお役所仕事だが)、深泥池の保護についてもいろいろ意見・ 批判をいただいている。

そうした中では、個人的な活動をしている中で仕事のことを言われるのは、自分の 居場所がなくなるような感じがしてしまうので、正直参加しにくい面がある。

自分個人としては、こうした自然保護の活動には興味があり、以前は自然観察会や ナショナルトラスト活動にも参加していたが、仕事がなまじっか似ているため、かえ ってやりづらい面があったため、現場での活動から遠ざかってしまっている中、この 深泥池の作業では、そうしたわだかまりもなく活動させていただいてきた。みなさん には本当に感謝しています。

市役所の人間としては、はなはだ頼りない面も多々ありますが、できる限り活動に 参加して、見聞を広めていきたいと考えています。今後もどうかよろしくお願いしま す。


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